株式会社 コダマコーポレーションRock&Wall

[ F-INC.サポート・プロジェクト ]
ブランドコンセプトの立案
ネーミング開発
ブランドシンボルのデザイン開発
インテリアデザイン開発

2013年、東京・青山にオープンしたボルダリングジム『Rock&Wall』。従来のジムのイメージを刷新する、洗練された内装、多彩なサービスで、初心者から上級者まで幅広い層から支持を集めている。今回のBRANDing STORYでは、店舗責任者兼ブランドマネージャー・高松広樹氏のブランドにかける想いと、ブランディングカンパニーF-INC.がサポートしたプロジェクトとの融合の軌跡を追った。

新ブランド誕生「遊び」の追求

高松もともと会社で「遊び」をコンセプトにした『asobisut.com』というポータルサイトを運営していました。大人が楽しんで遊べるイベントの開催なども手掛ける中、ある時から「山」に魅かれるようになったんです。山遊びを追求するうちに「クライミング(岩登り)」の要素が欠かせなくなり、室内でもクライミングが楽しめる場所を作る計画が持ち上がりました。それが「ボルダリング(ロープを使わずに岩や壁を登るフリークライミングのジャンル)」ジムを始めるきっかけです。

萩原母体はCADやソフトウェア開発などを主軸とされているIT企業なのですが、本気で「遊び」に取り組んでいる。そういった姿勢がとても面白いと感じました。真面目に「遊ぶ」ことを具現化したのが、ボルダリングジム「Rock&Wall」だと思います。

両者の出会い「体験」を創る

高松私の妻が務めている弁理士事務所に、エフインクの萩原さんがたまに来られていて、とても人当たりが良くてダンディで、事務所に来られると所内の雰囲気が変わる、すごい素敵な人だから一度会って欲しい、ということを萩原さんに会う何年も前から聞かされていたんです。

萩原ありがたいお話です。(笑)

高松しばらくして社内でボルダリングジムを造るという話が持ち上がり、大まかな構想を考えている段階で妻にその状況を話したところ、絶対萩原さんと相談した方が良いと思うよと言われて、相談する場を作ってもらいました。一度お会いしてすぐにこの人と一緒に仕事したいなと思い、お願いしました。

萩原新しいボルダリングジムは、今までになかった都市型で、従来の安価なサービスとは一線を画すことをはじめたいという大きなビジョンがあったので、単に新しいブランドの名前を考えてシンボルデザインを作るということでは解決できることではなく、様々なお客様に景観も含めた「体験」を作っていく必要がありました。また事業そのものが会社においてどのような位置付けになるのか明確にする必要もありました。そういった根本的・俯瞰的に事業を見つめることを初回に合意し、このプロジェクトがスタートしたんです。

高松実際に萩原さんとお会いする前にも、もちろん事業の全体像やビジョンみたいなものは持っていたのですが、はじめてエフインクさんのところへ伺い、打ち合わせが始まると、僕の頭の中をホワイトボードに全部書き出して頂いたんです。それで「図解化」してもらって、本当に目からウロコというか、点と点がつながるように、分かっていたようで曖昧だった部分が明確になって、頭の整理がつき、大きな事業創りの一歩になりました。

上質な空間デザイン

高松一番こだわった部分は、空間のバリューですね。細かいところでは、例えばフローリングひとつ取ってみても、それが本物の木であるのか、偽物であるのかというところからこだわっています。壁も、ただの白い壁なのか、それとも漆喰で塗ったものにするのか、素材感やそれが与える影響なども含めてアドバイスを頂きました。評判のお店に行って店舗デザインなどを調査している中で、萩原さんのアドバイスを意識してみると、照明の当て方ひとつから凝っていて、偶然できているものはなく、そこには必ずデザイナーの意図があって成立していることが見えてきました。

萩原やはり空間というのは非常に大事だと思います。他社のボルダリングジムは比較的安価な空間づくりをしているところも多いのですが、そことは一線を画した内装設計をブランドコンセプトに紐づけて作っていきました。

高松他のジムにはない「落ち着き」や「くつろぎ」を提供できればという原案がありました。

萩原その点は最初から明確にお持ちでしたよね。そこが明確だったからこそ、そのために何を実現すればいいのか素早く判断できたんだと思います。

高松イメージを具現化する作業って、例えばリンゴを描くだけでも人それぞれ違う絵になると思うのですが、そのイメージをどう他の方と共有するのかというのが、自分の中で一つのミッションとしてありました。これを失敗すると、それこそ工事が入ったときなどに仕上がりのズレが生じてしまうので、イメージの共有はきちんと進めたいと強く思っていました。エフインクさんと一緒に進めさせて頂く中で、正直そういった不安は一切なく、むしろいつもワクワクしている状態でした。

萩原楽しかったですよね。

自由と解放「Rock&Wall」に込めた想い

萩原ネーミングに関しましては、我々の方で数十案をご提示させて頂きました。その中で「Rock&Wall」を強く推薦さて頂いた理由は、CADなどをメイン事業とする企業が、こうした「遊び」に特化した事業をはじめることに、Rock&Rollに通じる「自由」と「解放」と、新しいものを作っていくんだという「意志」を感じたからです。このマインドをベースに、「Rock(岩)」と「Wall(壁)」というボルダリングのイメージを融合し、障害とそれを越えていく精神を象徴しました。一回聞いたら忘れない名前というのも重視しています。

高松山小屋にあるような汗臭いスポーツジムのイメージは払拭したかったんです。

萩原ブランドのロゴも「ROCK」のマインドを大切にして、石とか素材に刷り込まれていてもカッコよく、エイジングできるような骨太のデザインにしました。「Martin(アコースティックギターのトップ・ブランド)」のギターが似合うようなブランドにしたいと話し合ったのを憶えています。

高松このブランドは「Rock&Wall」の他に「R&W」というロゴの使い方もできるんです。当初からアパレルの展開とかグッズの展開をしたいというお話しをしており、二通りでブランドイメージを展開できるので、非常に便利に感じています。

トップクライマー・平山ユージ氏の協力

高松もともと「asobisut.com」関連の取材で、世界のトップクライマーの平山ユージさんとは接点がありました。ボルダリングジムを造ることが決まったとき、ぜひクライミングのレジェンドであるユージさんにアドバイスを頂きたいと思ってお願いしました。すごく気さくな方で、快諾して頂きました。

萩原素敵な方ですよね。

高松テナント探しもお手伝いしてくださったり、ここにある「課題(ホールドの設置)」はユージさんに作って頂きました。それほど天井が高くないジムですし、スペースも限られていますが、その中で最大限に楽しめるように、テクニカルに配置して頂いています。

萩原ぱっと見では分かりにくいかもしれませんが、いざ登ってみると絶妙な位置に石(ホールド)が置かれていて、本当に洗練されたセンスを感じます。

高松頂上付近でグッと力を入れて登らなければいけない所が、一番つるつるして取りにくくなっていたりして、単純に腕力を使って一番上まで行くというより、自分なりに見て考える、最初のコンセプト通り大人に向けた楽しませ方ができている気がします。

萩原知的なスポーツですよね。

ブランドを輝かせるホスピタリティ

萩原ホスピタリティという点では、接客も笑顔で、ビギナーにも抵抗感なく教えて下さるし、「体験」を提供する上でブランドの「コア(核)」になっている気がします。高松さんがもともと持っていたイメージと、それを実現するための様々な要素が一丸となって出来上がっているような気がします。

高松よくお問合せで、「ビギナーでも大丈夫ですか?」と聞かれるのですが、初心者の方でも安心して楽しめるようにスタッフ・オペレーターには徹底して指導しています。エフインクさんと一緒に仕事をするようになってから、細かいところまで全てブランド創りに関係していることが見えてくるようになりました。

萩原今では本当に立派なブランドマネージャーとしてご活躍されていますね。

高松これはまだ夢の話しなのですが、二店舗目は海外に出したいということも最初にエフインクさんに話していたんです。こうした夢の話しが今なお消えずに済んでいるのは、最初に打ち出したブランドイメージに、ポテンシャルが全て凝縮されていたからだと今さらながら実感しています。当初のビジョンを実現するための、先を見通したブランドを一緒に考えて頂いたのだと思います。

未来を切り拓くブランドイメージ

高松今は海外の前に、キッズ向けのボルダリングジムを構想しています。ボルダリングをファミリーが楽しめるものにしたいという想いがあるのですが、それはブランドイメージをチープにするということではなく、「体感の共有」を広げていくためのものです。

萩原例えば子供たちが身体を動かして遊ぶ場が、都会ではどんどん消えていて、ある種のスリルを感じる機会が減っていることが逆に問題を生むケースもありますよね。人の痛みが分からないなどということも聞きますが、その点も「体感」を通じて養い、挑戦する心やチャレンジ精神なども鍛えていけると思います。

高松そうなったら面白いですよね。さらに将来的には、ボルダリングだけでなく、色々な新しいスポーツが生まれてくる中で、どれだけ吸収していけるのかというのも一つのテーマとして抱えています。こうした展開を考えることができるのも、「Rock&Wall」というブランドイメージが、ボルダリングだけに収まっていないからだと思っています。

萩原未来を創造するブランドイメージになっていれば幸いです。本日はどうもありがとうございました。

高松こちらこそ、ありがとうございました。

Rock&Wall
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Monday-Sunday 7:00 ~ 22:30
http://www.rockandwall.jp

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