「今のブランドが時代に合っていない気がする」「顧客に選ばれ続ける存在でいたい」。そんな課題を感じていませんか?そのような課題を解決する「リブランディング」は、企業や商品の価値を再定義し、市場や社会の変化に対応するための重要な取り組みです。
この記事では、リブランディングの効果や実施に適したタイミング、成功のためのステップやポイント、成功要因などをわかりやすく解説します。ブランドの再構築を検討中の企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
ブランディングをひもとくメディア
大規模商業施設やリゾートホテルをはじめ、企業やカフェなど幅広いジャンルの案件に対し多岐にわたりブランディングを推進。『脳みそから血が出るくらい考えているか』を常に自分に問いただしながら、クライアントさえ気づけていないブランドの進むべき道や可能性、デザイン表現をご提案できるよう日々挑戦中。
「今のブランドが時代に合っていない気がする」「顧客に選ばれ続ける存在でいたい」。そんな課題を感じていませんか?そのような課題を解決する「リブランディング」は、企業や商品の価値を再定義し、市場や社会の変化に対応するための重要な取り組みです。
この記事では、リブランディングの効果や実施に適したタイミング、成功のためのステップやポイント、成功要因などをわかりやすく解説します。ブランドの再構築を検討中の企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
1. リブランディングとは?目的や効果を解説
2. リブランディングを進めるときの考え方
3. リブランディングを進めるべきタイミング
4. リブランディングの進め方
5. リブランディングを成功させるポイント
6. リブランディングの成功事例と成功要因
リブランディングとは、既存の企業やブランドを時代の変化や顧客ニーズの移り変わりに合わせて再構築していく取り組みです。市場環境が大きく変わったり、ブランドの印象や影響力が以前ほど感じられなくなったときに、その魅力を再び高め、競争力を取り戻すための有効な手段となります。
社外へのスタークホルダーに対しての効果はもちろん、社員の求心力やモチベーションの向上などの社内への効果、採用活動など、幅広く効果を発揮できます。
重要なのは、リブランディングが単なる「見た目のリニューアル」だけではないという点です。ブランドロゴやキャッチコピーを変えるだけではなく、現状のブランドの立ち位置や課題を冷静に見直し、どんな存在でありたいのかという理想像を明確にしたうえで、「在り方・見せ方・伝え方」を総合的に改善していくことが求められます。
現在、こうしたリブランディングの取り組みが多くの企業で注目されている背景には、社会や市場の急速な変化があります。デジタル化の進展により顧客が情報を比較・選択するスピードは格段に上がり、SNSの普及によってブランドイメージが瞬時に広がる時代になりました。
さらに、消費者の価値観は「モノ」から「コト」へとシフトし、共感できるストーリーや企業の姿勢そのものを重視するようになっています。それらに対応できるブランドの在り方が求められているのです。
リブランディングは、単なる競争力回復にとどまらず、企業が社会に向けて「自分たちは何者で、どんな未来を目指すのか」を示す手段にもなっています。新たなブランドイメージの構築などの表現を見直すとともに、それらに相応しい長期的な成長戦略、短期的な販促戦略も見直す絶好の機会となります。
【ステークホルダーへの効果】
言い換えれば、リブランディングは「過去の資産を活かしながら、未来に向けてブランドを進化させるための戦略的な取り組み」です。変化の激しい時代において、ブランドを持続的に成長させるための強力な手段として、多くの企業やブランドが注目し、実践しています。
大きく分けて、リブランディングには3つの段階があります。それぞれが独立した施策というより、連動して効果を高め合う関係にあります。
ここでは「在り方」「見せ方」「伝え方」という3つの視点から、リブランディングの進め方を解説します。
最初に見直すべきは、ブランドの核となる「在り方」、すなわちブランドの存在意義です。これは、そのブランドが誰に対して、どのような価値を提供し、どんな存在であるべきかという本質的な問いに関わります。
たとえば、ブランドが長く続くなかで、顧客層が高齢化したり、時代の価値観とズレが生じたりすることがあります。こうしたギャップがブランドの魅力や影響力を弱めているのであれば、見直すべきは「ブランドとしての存在意義や思想」です。このような場合には、ブランドプリズムなどのフレームワークを活用して、自社がどんなブランドでありたいのかを再定義し、「ブランドの魂を入れ替える」ような深い再構築が必要になります。
なお、ブランドの「在り方」を再定義する際には、エフインクが独自に整理する「DNA」の視点も有効です。創業時の原点や歴史、カルチャー、強み、独自性、進化への取り組みといった6つの切り口からブランドの個性を再発見し、第三者の視点で潜在的な魅力や課題を顕在化させることで、未来に向けた「あるべき姿」を描き出します。
ブランドの「在り方」がしっかりしていても、視覚的な表現が時代遅れだったり、一貫性を欠いていたりすると、魅力が十分に伝わりません。このような課題に対応するのが「ビジュアルアイデンティティの再構築」です。
たとえば、ブランドの理念や価値観と結びついていないロゴや統一感のない広告・販促物は、ブランドの印象を大きく損なう要因になります。また、リブランディングによってブランドの方向性を変えた場合には、その変化を顧客に可視化することも重要です。
ビジュアル表現は単なる「見た目」の問題ではなく、ブランドに対する第一印象や記憶の定着、愛着の醸成など、多くの効果をもたらす重要な要素です。リブランディングでは、在り方だけでなく、見せ方の刷新もセットで考える必要があります。
ブランドの価値を最大限に高めるには、「在り方」と「見せ方」を整えるだけで終わってはいけません。その延長線上にある 「伝え方」 までを一貫して再構築する必要があります。
現代の消費者は、商品やサービスそのもの以上に、そこから得られる「体験」を重視する傾向があります。だからこそ、ブランドのメッセージや世界観は、接客、店舗デザイン、WebやSNSでの発信など、あらゆる接点で統一されていることが大切です。
この「伝え方」の設計によって、顧客にとって忘れられないブランド体験を生み出し、長期的な信頼やファンづくりへとつなげることができます。
ここまで紹介してきた「在り方」「見せ方」「伝え方」に加え、私たちエフインクでは、ブランドのDNAを掘り下げることで、ブランドを6つの視点から再発見するとともに、今後はどのようなDNAを持つブランドに進化したいのか、「あるべき姿」を協議します。
ブランドには、創業の思いや積み重ねてきた歴史、社員のカルチャーや技術力、独自の強みなど、目には見えにくいDNAが息づいています。これらを改めて整理し、「これからどのように進化したいのか」をクライアントと一緒に協議することで、そのブランドらしい存在意義を明確にすることができます。
【ブランドのDNAを見極める6つの視点】
この6つの視点をもとにDNAを掘り下げることで、外見やメッセージの刷新にとどまらず、ブランドの核を再定義する深い再構築が可能になります。
もちろん、これはブランディングの一つのアプローチに過ぎません。ただ、エフインクが第三者の立場で生活者視点を交えながら伴走することで、クライアント自身も気づかなかった魅力や強みが浮かび上がることがあります。ブランドを未来へと進化させる有効な選択肢のひとつといえるでしょう。
どんなに優れたブランドであっても、時代や経営環境の変化とともに見直しが必要になる場面があります。しかし、適したタイミングを見極めるのは一筋縄ではいきません。見極めの参考として、企業がリブランディングを検討すべき6つのタイミングを、それぞれの背景や目的とともに詳しく解説します。
企業買収や世代交代によって経営者が交代する際は、過去から引き継がれてきた慣習や、時間の経過とともに現状と乖離してしまったブランドイメージを一新する絶好の機会です。新体制のもとで、改めて「今の時代とブランドがマッチしているか」を検証し、必要な刷新を図りましょう。
とくに、時代に合った価値を提供できれば、若い世代の採用につながるケースもあります。新たな人材が加わることで社内に新しい風が吹き込み、ブランドだけでなく企業全体を先進的に変化させるきっかけとなるでしょう。
事業ドメインの拡張やビジネスモデルの転換、新規事業の本格展開によって、従来のブランドと現状との間にズレが生じることがあります。そのような場合、リブランディングを通じてブランドの方向性を見直すことが重要です。
たとえば、製造業がD2Cに転換したり、BtoBからBtoCに進出したりする場合は、提供価値が大きく変化するため、ターゲットやメッセージの再設計が求められます。さらに、海外市場への進出や異業種への展開では、既存ブランドが通用しないケースも多く、言語や文化に配慮したコンセプトの見直しが不可欠です。
ブランドイメージが時代のトレンドに合っていない場合、顧客からの共感を得られず、離反を招く可能性があります。そうしたズレを修正する手段として、リブランディングが有効です。
たとえば、近年はサステナビリティへの関心が高まっており、環境に配慮した事業姿勢が評価される傾向にあります。また、働き方も多様化し、リモートワークや副業といった柔軟な制度が求められています。こうした社会的な価値観に取り残されたブランドは、企業イメージが古く見えてしまい、採用や顧客獲得にも悪影響を及ぼすおそれがあります。
ブランドの成長が頭打ちになっていたり、競合との差別化が曖昧になっていたりする場合には、リブランディングによってブランドを再設計することが有効です。表面的な改善ではなく、根本からブランドのあり方を見直すことで、再成長へのきっかけを生み出せます。
とくに、広告費をかけてもブランドの想起率が上がらない、認知はされているのに選ばれないといった状況では、戦略そのものの再構築が必要です。リブランディングを通じてブランドの価値を再定義し、停滞を打破する新たな動力にすることができます。
新たな競合が登場し、自社との違いが明確でなくなってくると、ブランドの存在感が市場の中で埋もれてしまうことがあります。こうした状況では、リブランディングを通じて差別化ポイントを見直し、独自のイメージを再設計することが有効です。
差別化が明確になることで、価格競争や模倣から抜け出し、安定した収益基盤を築ける可能性も高まります。さらに、強化された特徴が新たな付加価値となれば、これまでにないブランドイメージを確立し、競争優位性を高めることにもつながります。
企業やブランドが意図するブランドイメージと、顧客が実際に感じている印象や期待にギャップが発生している場合は、リブランディングを検討すべき重要なタイミングです。
たとえば、あるIT企業が「革新的でスピーディな対応力」を強みに掲げていたとしても、利用者からは「対応は丁寧だが、手続きに時間がかかる」と受け取られているようなケースがあります。このように、企業が打ち出すメッセージと実際の顧客体験がずれていると、期待とのギャップによって信頼を損なう恐れがある点に注意が必要です。
成功するリブランディングには、計画的かつ段階的なアプローチが欠かせません。ただし、すべてのブランドに同じ進め方が当てはまるわけではありません。
事業特性や組織文化、マーケットの状況に応じて、最適な順序や深さをカスタマイズすることが重要です。ここからは、初期設計から社内外への周知まで、リブランディングの進行ステップを8段階に分けて、詳しく解説していきます。
リブランディングは短期間で完結するものではなく、中長期的な取り組みが求められるため、まずは専任のプロジェクトチームを立ち上げることが重要です。事業全体を見渡せるメンバーを中心に編成し、課題の洗い出し、スケジュール管理、予算設定、リスク対応までを一貫して進められる体制を整えます。
人事部や広報が主導するケースも多くみられますが、ブランドに関わるあらゆる部署の声を反映するためには、部門横断型の構成が理想です。ワークショップなどを通じて社内の意見や課題を集約し、リブランディング後の社内外への発信や社内コミュニケーションまで視野に入れて準備を進めましょう。
リブランディングにおいて重要なのが、ビジョンやミッションなど、企業やブランドパーパスを見直し、明確な言葉で再定義することです。そのためには、自社の課題を把握するための調査が欠かせません。社内インタビューだけでなく、ユーザーへのヒアリングも行い、「誰のために、何を提供する企業なのか」を具体的に言語化していきます。
また、ステークホルダーが企業と関わることでどんな価値を得られるのかまで踏み込むことで、より伝わるメッセージになります。必要に応じて外部パートナーの力を借り、PEST分析や市場・競合調査も行いながら、自社らしい言葉選びと差別化を意識することがポイントです。
リブランディングを進める前に、対象となる企業や商品が現在どのように認識されているのかを把握することが不可欠です。売上の推移や顧客の声といった定量・定性の両面から情報を収集し、現状のブランドイメージを客観的に確認します。
この段階では、「本当にリブランディングが必要なのか」を見極めることが重要です。状況によっては大きな変更が逆効果となり、顧客離れや売上低下を招くおそれもあります。リブランディングの判断は感覚ではなく、データと実態に基づいて慎重に行う必要があります。
また、実はリブランディングの答えは社内に眠っている場合も少なくありません。日々顧客と接している社員や現場で働くスタッフこそ、ブランドが抱える課題や潜在的な強みを一番身近に感じています。そうした声を吸い上げ、プロセスに反映することで、より実効性のあるリブランディングが実現できます。一方的に押し付けるのではなく、社員が「自分ごと」としてブランドの変化を捉えられるよう、意見交換や参加型の仕組みを取り入れることが、共感と主体性を育み、社内外に強いブランドを築くための鍵となります。
現状の把握と方向性の再定義ができたら、次は理想とのギャップを明確にする作業に進みます。まずは思いつく限りの課題点を箇条書きでリスト化しましょう。そのうえで、見落としがないか、客観的な視点が含まれているかも確認し、精度の高い課題整理を行うことが重要です。
現状を把握した後は、「どんなイメージを、誰に持たれたいのか」を明確にすることが重要です。この段階では、見た目の変更だけに頼らず、ブランドの中身から変えていく意識が求められます。中身がともなわない表面的な変更は、かえって顧客の信頼を損なうおそれがあるため注意が必要です。
ターゲット像を具体的に設定する際は、単なる「20代女性」や「30代男性」といった属性だけでは不十分です。たとえば「都市部に住む20代後半のキャリア志向の女性で、SNSを通じてトレンドに敏感な層」「地方で子育てをしながら働く30代の共働き夫婦」など、実在する人物に近い形で描くと効果的です。
そのうえで、その人物が日常で抱える課題や求める価値を整理し、ブランドがどのように応えられるのかを具体的に示すことで、より実効性のあるブランド像を再定義できます。
課題が整理できたら、次はブランドの方向性を具体化していきます。この段階では、最初から一つに絞り込まず、複数の案を出して比較検討することが重要です。ブランドイメージは、ロゴやコピーだけでなく、企業の姿勢や発信の仕方など多くの要素によって成り立っています。
たとえば、企業の印象を大きく変えたいのに、ロゴだけを少し変えても十分なインパクトは生まれません。視覚・言語・体験など多角的な視点から方向性を組み立て、それぞれの効果やリスクを検討しながら、最適なブランド像を見極めていきましょう。
リブランディングを成功させるには、ブランドを体現する従業員一人ひとりの理解と共感が欠かせません。そのため、まずは社内に向けた広報活動や社内巻き込み型の施策などを通じて、現状を正しく認識・理解していただくとともに、リブランディングにおける変更点や施策の意図、今後の方向性などを丁寧に伝えていくことが重要です。
ブランドの方向性が定まったら、いよいよ施策を実行に移します。この段階では、中途半端な対応を避け、経営理念やビジョン、デザイン、価格、販路に至るまで全体を徹底的に再定義することが重要です。
社名やロゴなどの変更がある場合は、取引先や関係者への丁寧な周知も欠かせません。また、変更点を社外に発信する際は、自社がどう変わったのかをわかりやすく伝えることで、新しいブランドへの理解と共感を得やすくなります。
さらに忘れてはならないのが、社内への情報共有です。急な変化に戸惑う社員が出ないよう、ビジョンや理念をしっかりと伝える体制を整えましょう。そのうえで、プレスリリースなどを活用し、対外的なリリースへと進めていきます。
リブランディングを成功させるためには、手順に加えて押さえておくべき“考え方”があります。最後に、実施の際に意識しておきたい4つの視点について解説し、持続的に成果を上げるブランド運営のヒントを紹介します。
リブランディングでは、既存ブランドの何を残し、何を変えるかを慎重に見極めることが大切です。これまでブランドを支えてきたファンは大切な資産であり、その信頼感を失わずにブランドイメージを刷新する方法を検討することが成功の鍵となります。
リブランディングにおいては、従来のブランドに対する社内の愛着が判断を曇らせないように注意が必要です。売上やシェアの推移、顧客からのフィードバック、調査結果、競合状況などの客観的なデータをもとに、ブランドの実態を冷静に見つめ直しましょう。
企業目線だけで進めるのではなく、ユーザーが実際に求めている価値やニーズに寄り添うことが欠かせません。顧客の声を把握するには、アンケートやインタビューに加え、SNSでの口コミや評判も有効です。
リブランディングは、成果がすぐに現れるものではありません。新たなブランドイメージが社会に浸透するまでには一定の時間が必要であり、短期間で効果を判断するのは適切ではありません。
思うように認知が広がらないからといって、再び変更したり元に戻したりするのは、ブランドの一貫性を損なう恐れがあります。焦らず腰を据えて、中長期的な視点でブランドを育てていくことが成功の鍵です。
リブランディングを成功させるには、思い切った変革が求められます。小手先の変更では、顧客の印象やブランド認知に十分なインパクトを与えることができません。必要に応じて、ロゴやスローガン、社名に至るまで、大胆な見直しを検討しましょう。
特に、方向性や提供価値が大きく変わる場合は、変化を明確に伝えることが重要です。中途半端な変更では逆に混乱や信頼低下を招く可能性があるため、全社一丸となって本質的な変革に取り組む姿勢が大切です。
リブランディングは、理念やデザインを刷新するだけでなく、企業やブランドが未来に向けてどう存在していくのかを示す重要な取り組みです。とはいえ、抽象的に語るだけではイメージが掴みにくいもの。実際に成功した事例から学ぶことで、リブランディングの本質や効果がより具体的に理解できます。
ここでは、私たちエフインクがサポートしたリブランディング事例から「LIVZON(リブゾン)」と「Monday Moon(マンデイムーン)」の2つをご紹介します。業種やターゲットは異なりますが、どちらも自らの存在意義を見直し、ブランドとしての世界観を再構築することで、大きな成果を上げた好例です。
創業80年の総合設備企業・大成温調は、従来の枠を超えて建物全体を支える企業へ進化するため、ブランドの再構築に挑みました。結果として誕生したのが新コーポレートブランド 「LIVZON(リブゾン)」 です。
ブランドステートメントは「たてものを、いきものに。」。LIVE × ZONE という言葉の組み合わせには、建物に命を吹き込み、人々に快適で豊かな空間を届けるという強い想いが込められています。
ブランドロゴやWebサイト、ブランドムービー、会社案内までを一新し、社内外に統一されたメッセージを発信。とりわけ「LIVZON STORY」では現場の物語を丁寧に描き、技術だけでなく人の想いを伝えることに成功しました。リブランディングを通じて、同社は“設備業”から“総合たてものサービス企業”へと生まれ変わり、社員や顧客の共感を引き出す新しい存在感を確立しました。
自然派化粧品の通販ブランド「Monday Moon」は、素材へのこだわりと誠実な姿勢を強みにしながらも、急成長する中でブランドの「伝わり方」に課題を抱えていました。そこで取り組んだのが、世界観を再定義し、ユーザーに寄り添うリブランディングです。
新しいタグラインは「Simple & Natural」。無駄を削ぎ落とし、本当に必要なものを丁寧に届けるというブランドの想いを端的に表現しました。ロゴやパッケージも刷新され、洗練されながらも温かみを感じるデザインに統一。さらにWebサイトやビジュアル表現でも一貫性を持たせ、ユーザーがブランドの価値を自然に体感できるように設計しました。
その結果、Monday Moonは「ナチュラルで誠実」というブランドの独自性やイメージを強く印象づけ、既存ファンの信頼を深めると同時に新たな支持層を獲得。成長のスピードをブランドの力で支える好事例となりました。
成功要因1:まず最初に存在意義を再定義すること
LIVZONの「たてものを、いきものに。」や、Monday Moonの「Simple & Natural」に象徴されるように、まず最初にブランドの本質的な役割や想いを明確に言語化したことで、その後の様々な表現の開発クオリティーの一貫性向上、ブレがなくなることによる開発スピードの向上など、様々な効果を生み出しました。
成功要因2:内外に一貫したメッセージを届けること
ブランドロゴやコンセプトワードやスローガンメッセージ、Webサイトの視覚表現と言語表現、パッケージデザインなど、顧客や社員が触れるすべての接点で同じ世界観を体感できるように整えたことで、社内外問わずステークホルダーからのブランドへの信頼と共感獲得につながりました。
成功要因3:ストーリーで「人」に響く表現をすること
技術力や商品力、エビデンスやお得感などを示す数字での訴求だけでなく、そこに込められた想いや哲学をストーリーとして伝えることが、社員の誇りや顧客の支持につながります。LIVZONが「現場の物語」を、Monday Moonが「生活者視点の誠実さ」といったストーリーを強調したのは好例です。
成功要因4:未来視点でブランドを進化させる
リブランディングは単なるデザイン刷新ではなく、企業がこれからどんな存在になりたいかを示す行為です。将来の理想像を描き、それに向けた一貫した体験を提供し続けることで、ブランドは時代や環境がいかに変化をし続けようとも、相応しい形に自ずと進化をし続けます。
リブランディングは、単なる見た目の刷新ではなく、企業の提供価値やビジョンを再定義し、時代や市場の変化に対応していく重要な経営戦略です。的確な課題設定と段階的な取り組みによって、企業は新たなターゲットへのアプローチや、社内外の共感を獲得しやすくなります。
特に、ブランドの再構築にあたっては、これまでのブランド資産を活かしつつ、新たな価値を統合できるような一貫支援型のパートナー選びが重要です。
エフインクでは、経営の本質に根差したブランド戦略から、空間・サービス・クリエイティブ領域まで横断的に支援し、企業の変革を伴走型でサポートしています。「今こそ、自社らしさを再定義し、持続的に成長するブランドを築きたい」とお考えの方は、ぜひ一度エフインクにご相談ください。
30年・300プロジェクト以上の豊富な
経験から培ったブランディングの進め方や、
詳細なCASE STUDYを
ご紹介しています。
「ブランディング」とはなんだろう?
知られていない魅力を伝えるための活動、
あるいは、見据える未来像をはっきりさせる作業。
携わる人たちが持つ技術やプロジェクトにかける思いが、
アウトプットへと結集していきます。
一言では説明できないからこそ、
そのプロセスは普段語られる機会があまりありません。
アウトプットが物語ることの素晴らしさを大切にしながらも、
「ブランディング」が持つ多様な側面を伝えたい。
FuFuFu Laboは、プロジェクトの背景とブランディングの
基礎知識の両面から、ブランディングをひもとくメディアです。