育んできたブランドイメージを継承する

ブランディングと聞くと、全てを一新して生まれ変わることを想起する方も多いと思いますが、新しくすることだけがブランディングではありません。

これまで培ってきたブランドの価値を再認識し、より輝かせることもブランディングの大きな役割です。

今回は、今まで育んできたブランドのイメージを継承していくブランディングの方法を説明します。

培ってきたブランド価値の重要性

すでに持っているブランドイメージは、過去から積み上げてきたかけがえのない資産です。

ブランドイメージは長い期間を通して少しずつ、社会やステークホルダーに魅力を浸透させていくことで形成されます。そのため、すでに持っているブランドイメージは過去から築き上げてきた、かけがえのない価値であると言えます。

提供しているサービスや広報・広告、各種デザイン展開など、多角的な場面での積み重ねを通してブランドイメージは少しずつ創られていくのです。

ブランディングを実施する際は、新しくすることだけではなく、今まで培ってきたブランドの価値を見極めることも大切にしましょう。より魅力的なブランド形成につながります。

今まで培われた価値をブランドの強みへ

未来を見据え、コンセプトや企業理念を設定する際にも、既存のブランドイメージの振り返りは重要です。

今までお客様から抱かれていたイメージはどのようなものなのか。なぜそのように思われているのか。

ブランドとして培ってきた価値を改めて見直すと、新たな強みが見えてくるかもしれません。

その上で、未来に向けてどのようなブランドを目指し、変わっていくのかを考えると、すでに持っている文化や資産などを活かした効果的なブランディングにつながります。

ワークショップの実施やヒアリングなどで、社外の視点を取り入れ、一度客観的にブランドを見直しても良いかもしれません。自らが強みと思っていなかった部分が新たなブランドの価値と思えるかもしれません。

ブランディングを機会に、改めてブランドの強みや弱みを見直すのがよいでしょう。

デザイン表現の継承

ブランドシンボルや展開アイテムなどのデザイン表現は、ブランドイメージに大きな影響を与えます。

デザイン表現を刷新することも可能ですが、今までの印象を捉えて洗練させていくことも可能です。ブランドシンボルを今までのイメージを引き継ぎながらリファインしたり、展開アイテムを洗練させるだけでも、大きく印象は変わります。

ともに歩んできたブランドイメージを継承しながら、新しく生まれ変わることは、ブランドに親しみを持っていただいていた方にとって受け取りやすいものとなります。デザイン表現を一新した場合、そのブランドのファンであった方達や社員などへの理解浸透まで少し時間がかかるかもしれませんが、ギャップが少ないと理解も早いでしょう。

どのような印象を与えたいのかを考えながら、デザイン表現のバランスをコントロールしていきましょう。

ブランドシンボルだけではなく、使っているカラーや書体、写真やイラストの世界観など、あらゆるデザイン要素でブランド表現は築かれます。部分的な改変ではなく、あらゆる展開アイテムを一度見直すことで目指したい世界観を表現していきましょう。

Case1.NS TOOL

NS TOOLは超硬小径エンドミルという工具の製造・販売でトップシェアを誇る企業です。

NS TOOLはブランディングの導入前は、「NS」のシンボルと「日進工具株式会社」のロゴタイプを組み合わせて展開していました。展開されるアイテムによって表現方法が混在していることや、世界に展開していることなどを考慮し、新たなブランドシンボルの表現を開発しました。

新しく開発したブランドシンボルは「NS TOOL」のみとし、統一されたデザイン表現を可能にしました。

また、ブランドカラーであるオレンジも様々な色が使われていたところをひとつの色に統一。ブランドカラーであるオレンジが印象に残るような色彩の使い方でアイテムをデザイン展開しています。

Case2.CLIO

CLIOは明和地所株式会社が提供するマンションブランドです。

ブランドシンボルの可読性を高め、洗練性と普遍性を意識してリファインしました。ラインを効果的に使ったデザイン表現を新たに開発し、各種デザイン展開においてCLIOの世界観を創り上げています。

また、CLIOを提供する明和地所株式会社のブランドシンボルも再開発し、マンションブランドと合わせて企業としての信頼性も高めています。

上記の事例は、今まで培ってきたブランドイメージを担保しながら、より洗練されたデザイン展開をしているものです。ブランドイメージの継承という方法があることを再認識した上で、ブランディングを推進していくと良いでしょう。

クレジット

  • F-INC.

この記事で取り上げられたプロジェクトの事例