CASE STUDY

概要

ブランディング会社のセルフリブランディング。

2023年8月に企業理念やサービスの見直しをはじめ、ブランドロゴやWEBサイトの一新など、私たちブランディングカンパニー「エフインク(F-INC.)」は、会社全体のセルフリブランディングを行いました。

 

テクノロジーの急速な進歩、価値観やライフスタイルの多様化など不確実な現代社会において、私たちエフインクが目指すのは「変化に強く、進化を止めないブランド」。創業から30年、ブランディング件数300以上の豊富な経験から培った成功体験とノウハウを活かし、あらゆるブランディング領域における施策・制作物の企画から実施までを総合的にワンストップサポートするブランディングカンパニーです。

課題

ブランディング会社としての強みや特徴が伝えきれていない。

創業から30年、ブランディング件数300以上の豊富な経験から培った成功体験とノウハウや、幅広い施策・制作物に対応できること、企業理念やコンセプトメイキングなど根幹からブランディングできること、ワークショップや巻き込み型施策による組織内部からの改革など、自分たちの強みや特徴などを自身では理解できているものの、しっかりと固定化された言葉や図解などでまとめきれていなかったため、お問い合わせいただいたお客さまやWEBサイトをご覧になったお客さまに対して、十分に強みや特徴などを伝えきれていないことが最も大きな課題でした。

 

そのため、ブランディングという言葉や取り組みが一般化し、ブランディングを提供する競合も増えた現在、これからの時代も選ばれ続けるブランディング会社であるために、企業理念やサービスの見直しをはじめ、ブランドロゴやWEBサイトの一新など、構想から数年越しで会社全体のセルフリブランディングを実施いたしました。

提案

想いやノウハウを可視化して選ばれるブランディング会社へ。

まず行ったのは、数ヶ月をかけて創業から振り返り、自社の強みや弱み、できていること・いないこと、ブランディングをご依頼いただきたいターゲットの明確化など、それら全ての洗い出し。それらを行った上で、改善すべき点や未来にありたい姿をまとめていきました。そこから見えてきたエフインクのあるべき姿は、「わかりやすさを大事にする姿勢」や「企業の原点まで遡って未来へ向けて進化するブランディング」を提供すること、「自分たちのスタイルを押し通すのではなく、常にお客さまにとっての最善解を探究し続ける」ことなど。

 

これらを踏まえ、エフインクが目指すブランディングを「変化に強く、進化を止めないブランドをともにつくる」ことと定義。定義する前からも行っていたことではありますが、言葉として定義することで、おのずとやるべきことが明確になります。この定義を核として新たに「パーパス」をエフインクの存在意義として設定。さらには「DNA」を起点とした提供サービス構築やビジュアルアイデンティティ構築など一連のリブランディングを当時並行することで、ブレのない統一された世界観やブランド体験を提供できるよう細心の注意を払いながら進行いたしました。

施策・制作物

ブランドシンボル・ロゴ

自社のブランディングを進めていく中で、伝えるべきメッセージやデザイン、情報設計に対する課題が非常に明確になりました。それらを紐解いて、あるべきブランドの表現(ロゴやWEB含む全て)とは何か?を考えて行った上で、ブランドのキーワードとして抽出したのが以下の4つです。

 

①30年以上にわたる経験値に裏付けされた自信や誇り・実力があること。

②一つひとつのブランドや作品・お客さまが主役であること。

③見た瞬間に飛び込んでくる強さや存在感があること。

④原点かつ進化を体現し、全体でのブランド体験で魅了すること。

 

キーワードを踏まえると、全体の表現やデザインは王道感や存在感があるシンプルかつ堂々としたデザインが相応しいなというのは最初から考えており、進行にあたっては、ブランドロゴだけを考えるのではなく「全体でのブランド体験で魅了すること」を第一に、主なコミュニケーションツールとなるWEBサイトや名刺などのデザインや表現の方向性を同時に検証しながら進行しました。

 

新たなブランドロゴは、変更前のロゴからの変化が大きいので、エフインクが進化したことや新たなメッセージを最もわかりやすく伝えられることや、「F-inc.」の「F」には「function(社会に機能する)/future(未来思考を持つ)/fun(遊び心を忘れない)」という意味を込めているのですが、それらを一層シンボリックに象徴できること、横に伸びた造形は『お客さまや社会と共に、長く愛され、成長し続けるブランドをつくりたい』という意思を表現している点などを踏まえ決定。

 

「およそ1: 1.414(5:7)」の比率で「大和比」とも呼ばれ、日本では古くから大工の間で「神の比率」とされてきた「白銀比」をブランドロゴに取り入れて開発。日本最古の木造建築である法隆寺金堂や五重塔、伊勢神宮などの建築物のほか、平安京の街並み・彫刻・生け花にもこの比率が多く取り入れられているそうです。造形として美しく見えるということはもちろん、日本で大切にされてきた想いやホスピタリティ精神などもお客さまに提供していきたいという意思の表れでもあります。

ブランドフォント・ブランドカラー

特にWEBサイトでは文字情報が多くなるため、フォント選びが大きく印象を左右します。キーワードに上がった「原点かつ進化を体現し、全体でのブランド体験で魅了すること」や、王道感や存在感などを踏まえ、まず最初に英文フォント「Helvetica Now」を設定。

 

「Helvetica Now」は、サンセリフ書体の定番中の定番であり、原点のような書体である「Helvetica」をベースに、書体誕生から60年を機に、PCやスマホでの表示をはじめ、21世紀の使用方法に合わせて進化した「Helvetica」。決定したデザインやカラーの方向性にもふさわしく、キーワードにも上がった「原点かつ進化を体現する」をまさしく体現した書体であり、変更前のブランドロゴにも「Helvetica」を使っていたことから、想いを受け継ぐという意味でも私たちの想いを表現する書体として最も相応しいと考えました。和文フォントは、「Helvetica Now」との相性を第一に、組み込まれている英文が「Helvetica」をイメージしたものとなっている「ニューセザンヌ」という書体を選んでます。

 

ブランドカラーは今までは黄色をメインに、全体的に温かく親しみやすい印象を強くしていたのですが、黄色がWEB掲載の作品・実績によっては合わない場合もあることや、「自分たちのスタイルを押し通すのではなく、常にお客さまにとっての最善解を探究し続ける」姿を表すべく、非常に多くの色や要素と相性が良い中間色の「グレー」を中心に「ブラック」「ホワイト」をメインカラーとして設定しております。

パーパス・サービスについて

エフインクが目指すブランディングを「変化に強く、進化を止めないブランドをともにつくる」ことと定義。定義する前からも行っていたことではありますが、言葉として定義することで、おのずとやるべきことが明確になります。この定義を核として新たに「パーパス」をエフインクの存在意義として設定。さらには「DNA」を起点とした提供サービス構築をすることで、「企業の原点まで遡って未来へ向けて進化するブランディング」を提供することを、一連の流れでご提案できるようになりました。

名刺・封筒・会社案内

名刺と封筒は、エフインクならではの人柄や温かさを表現するため、名刺はクラフト感のあるボール紙に活版印刷、封筒には一つひとつスタンプを押して制作。会社案内は、オンライン打ち合わせや大きなモニターでのプレゼンなどの機会が非常に増えているため、モニター類での表示に最適化した16:9の比率で制作しております。

WEBサイト

エフインクの最も大きな強みは「創業から30年、ブランディング件数300以上の豊富な経験から培った成功体験とノウハウや、幅広い施策・制作物に対応できること」であると考え、それらをストレートにわかりやすく訴求するため、「実績紹介(CASE STUDY)」を主軸に構成。トップページでの実績紹介をはじめ、各実績の内容が俯瞰して見られる一覧ページや、30年以上にわたり今まで携わったプロジェクトをほぼ全て網羅したページなど、さまざまなアプローチをしております。

 

全体のデザインや構成は、下記のキーワードを元に王道感や存在感があるシンプルかつ堂々としたデザインとしております。

 

①30年以上にわたる経験値に裏付けされた自信や誇り・実力があること。

②一つひとつのブランドや作品・お客さまが主役であること。

③見た瞬間に飛び込んでくる強さや存在感があること。

④原点かつ進化を体現し、全体でのブランド体験で魅了すること。

 

 

自社オウンドメディア「FuFuFuLab.」

リブランディング以前より運営していたオウンドメディア「FuFuFuLab.(フフフラボ)」も、リブランディングに伴いデザインを調整。ブランド全体でのトーン&マナーや世界観を大切にしました。

デザイン案・デザイン検証

ブランドロゴ単体でのデザインはもちろん、WEBサイトや名刺などのツールに落とし込まれた時の調和や、ブランド全体で俯瞰して見ることは非常に重要となるので、案ごとに展開イメージを制作しながら進行しております。

チーム

  • 萩原 房史(株式会社エフインク)

    代表取締役社長/ブランディングプロデューサー

  • 萩原 美佳(株式会社エフインク)

    バックオフィス担当

  • 石井 敦(株式会社エフインク)

    執行役員/ブランディングディレクター

  • 中野 博文(株式会社エフインク)

    ブランディングディレクター

  • 中澤 千咲

    ブランディングプランナー

  • 石橋 雅人(Function)

    フォトグラファー

  • 山本 真也(株式会社ingraft)

    プロデューサー/プランナー

  • 津留 正和(株式会社ingraft)

    プロデューサー/プロジェクトマネージャー