企業価値を向上させる 企業ブランディングの効果と進め方

私たちがいただくご相談の中でも、多くの割合を占めるのが企業ブランディング(コーポレート・ブランディング)です。

「必要そうな気がするけれど、何から始めたらいいのかわからない」という方へ、企業ブランディングとはなにか、そして実施することでどんな効果があるのかをご説明します。

企業ブランディング(コーポレート・ブランディング)
企業の存在理由や目指す姿などを明確に示すことで、相手の心に企業のイメージを確立すること。

企業の姿をより感じやすく、イメージしやすくする

企業ブランディング(コーポレート・ブランディング) とは、「私たちはこんな企業だと思われたい」という共通イメージ(ブランド)を構築することです。

例えば大手カフェチェーンであるスターバックスコーヒー(スタバ)。「カフェといえばスタバ」という方も多いのではないでしょうか。街中でスタバの看板を見つけた時のことを思い出してみてください。セイレーンのロゴを見ただけで、スタバならではの丁寧な接客、コーヒーの香り、おしゃれで心地よい店舗空間が自然と思い浮かんでくるかと思います。

これは、スターバックスコーヒーが企業ブランディングを成功させている証です。店舗のレイアウト、スタッフの接客、メニュー、商品パッケージなど、ブランドが持つあらゆる構成要素に共通のイメージを上手に持たせているからこそ、どの角度から見ても「スターバックスコーヒー」を感じられるのです。

このように、さまざまなコミュニケーションを通じて顧客の心の中にイメージを確立できると、以下のような効果が期待できます。

  • 競合との差別化(例:友達とゆっくり話すならスタバが良い)
  • 安心感や信頼感の付与(例:初めての土地でもスタバに入れば安心できる)
  • 顧客のファン化(例:カフェの中で一番スタバが好き)

企業に関わるさまざまな人にプラスの効果を生む

さて、さきほどはスターバックスコーヒーの話題を例に出しましたが、企業ブランディングはなにも大企業がその顧客に対してだけ効果を発揮するものではありません。その効果は業種や規模に関わらず、またその企業に関わるさまざまな人に向けて効果を発揮します。

  • 社員:自社への誇りが増し、働くモチベーションが上がる。社内の一体感、エンゲージメントが高まる。
  • 顧客:他の競合商品やサービスとの差別化が図れる・ファン化する。
  • 採用担当者・求職者:ブランドを理解した就職希望者が増え、離職率が下がる。
  • 協力会社:ブランドを理解した協業希望企業が増え、業務品質が向上する。
  • 株主・出資者:ブランドを理解した支援者が増え、事業拡大の資金集めが可能となる。

また、これらの効果は有機的に関連し合っています。例えば社員のモチベーションが上がれば、必然的にサービスの質が上がり、ブランドのファンが増え、採用も容易になることが期待できます。このような好循環が生まれれば、ブランドとしての魅力がより一層増すこととなるでしょう。

「知る・考える・創る・育む」が基本の4ステップ

ここまで、企業ブランディングを実施するメリットについてお話しました。次に実際に企業ブランディングを進める上での基本的な流れをご説明します。

私たちは、主に「1. 知る」「2. 考える」「3. 創る」「4. 育む」というステップでブランディングを進行しています。

1. 知る

多角的な視点でブランディングの基礎となる情報を収集・整理します。

  • 世の中の人々が現在のブランドにどんなイメージをもっているか?
  • その中でも特に誰に企業ブランドのイメージを伝えたいのか?
  • 競合ブランドとの関係性は?
  • 社会にとってどのような価値があるか?
  • これまで愛されてきた理由は? 

自社のことであればあるほど、知ったつもりになってしまいがちです。ブランドについて改めて理解するため、上記のような項目について、ヒアリングや現場の視察、顧客やスタッフなど当事者へのインタビュー、市場調査などによる客観的なリサーチを行います。

2. 考える

「1. 知る」のフェーズで整理したブランドならではの強みを最大限に活かすため、議論やワークショップを通してブランドの軸となるコンセプトを考えます。

そのほかにも、ブランドの目指すべきあり方を整理した上で、必要な要素(企業理念、ネーミング(名称)、ステートメントなど)を開発します。

議論にあたっては、社内担当者の他にも社内スタッフを広く招集したり、ブランディング会社に協力を仰ぎながら協同していったりしながら進めていくのが一般的です。

3. 創る

ブランドの想いに基づいたデザインを創造します。

シンボルロゴをはじめとするデザインを開発するとともにそれらの運用ルールを決め(システム化)、統一された世界観を構築することで、伝わりやすく魅力的なブランドを創っていきます。

4. 育む

ブランドは創って終わりではなく、創ってからが本当の始まりです。創り上げたブランド像をコミュニケーションツールへと発展させていき、「企業の姿をイメージしやすくする」働きかけをしていく必要があるのです。

例えば社員に対してブランド力を強化したいのであれば、ブランドブックや企業理念カードなどを制作する。社外に対してブランドを訴求したい場合は、ウェブサイトや会社案内を刷新する……といった展開が考えられるでしょう。

コミュニケーションツールには、商品パッケージ、映像、広告、店舗、サービス品質といったものが挙げられます。こうしたブランドを構成するあらゆる要素に対して、ブランドならではの統一された世界観を展開させることが、強いブランドを育てることにつながるのです。

記事に登場したブランディング用語

クレジット

  • F-INC.